司会: さあ、それではお迎えしましょう。
ミーシャ・バートンさんです、どうぞ。
ミーシャ: Hello,コンニチハ。今回は3,4日滞在の予定ですが来日をとても楽しみにしていました。
司会: ありがとうございます。
早速ですが、まず今回の映画のお話が来た時の感想をお聞かせください。
ミーシャ: ロサンゼルスでリチャード・アッテンボロー監督と初めてお会いました。そこですぐに意気投合して出演を決めました。
脚本も素晴らしいですし、役者にとっては夢のようなシャーリー・マクレーンさんの若い時代を演じるという機会を得ました。ですからとっても楽しくやらせていただきました。
司会: シャーリー・マクレーンが演じるエセルという女性の若かりし頃の役を、ミーシャ・バートンさんが演じています。役作りで意識したことやシャーリー・マクレーンとお会いしたのならば、どんな話をされたのかお聞かせください。
ミーシャ: シャーリーさんとはお会いしました。本当に元気で溌剌としてらっしゃいます。私も昔から彼女の大ファンでしたからお話することが出来て大変嬉しかったです。
彼女は年をとった後のエセルで私はその若い頃を演じるのですから勿論何かしらの繋がりがないとならないのですが、シャーリーの演じるエセルを撮った物を先に少し見せてもらって安心しま
した。
歳をとった後のエセルと若き日のエセルとが一見するとまるで違う人格なので、私は若いエセルに専念すればよそういう役柄はなかなか有りませんから私も楽しくやらせていただきました。
--質疑応答--
Q: シャーリーさんとはどのように同一人物像のすり合せをしましたか?
ミーシャ: その点はシャーリーさんとアッテンボロー監督と話をしました。身体の動きひとつからそれこそ趣味趣向による雰囲気まで話しました。ただ、先にもお話したように若いエセルはとても純粋無垢で、そして未だ戦争の暗い影響を受けていません。
ですからその後の影は全く見せなくて良いと分かりまして、やりやすかったです。
シャーリー・マクレーンさんの若い頃を演じるのは勿論重責でありますが、シャーリー・マクレーンさんが演じ、監督の思い描いた年老いたエセル像というものを、アッテンボロー監督の元で安心して演じることが出来ました。
Q: エセルは3人の男性から思いを寄せられるという役どころもありました。その事についての感想と3人についての印象はどうでしたか?
ミーシャ: 3人とも違うタイプの男の子ですからね、彼らと過ごした現場は本当に楽しかったんですけど、エセルの素晴らしいのは自分の気持ちに一生懸命で他には気づかない…そんなひたむきさが魅力なんだと思います。
彼女のけれんみの無い素直さに3人の男の子も見せられたのだと思います。
Q: 涙のシーンがとても印象的でした。美しい涙を流すにはどんな心で演技するのですか?また、指輪に関することでご自身で大切にしているエピソードがあればお話ください。
ミーシャ: ありがとうございます。エセルはとても情熱的でまた愛情深い女性ですから、例えばテディ(若き日々の登場人物の一人)の事が好きとなれば、結婚までも自分から決めしまいます。
そしてテディを受け入れようと自ら裸になってゆくのも、自分の感情そのままの現われでしょう。何事にも自分に素直でサラッとこなしてしまう彼女の姿は気持ちよくて、感情移入が出来ました。
指輪はいつも沢山の指に嵌めていまして、それぞれひとつひとつ自分に意味がありますよ(笑)
Q: (完全なヌードを伴った)ラブシーンもありましたが、いささかの躊躇と言ったものも有りませんでしたか?またその為の決意と言ったものが有ればお話ください。
ミーシャ: 私自身の決意としてのお応えです。ラブシーンはどういったものでも良かったのではないかと思いますが、話し合いの結果あのようになりました。とても良いシーンになっていると思います。いわゆる行為を描くためのシーンではなく、あの裸体の意味はエセル自らが、愛する人を受け入れようとした心からの姿なのです。ひたむきなエセルを良く表しているシーンです。
Q: 一人の女性が、戦争そして戦死による死別を圧して一人の男性を愛し続けようとしたエセルの人生をどのように思いますか?また映画の撮影前後でその考えに変化があったならばお話くださ
い。
ミーシャ: 大変ロマンチックな物語ですが、その逆に現代の女性の人生観からしたら"ちょっとありえない"と行き過ぎな愛の姿だと思う人も居るかもしれません。でも、このような永遠の愛というものも在ると信じています。
アッテンボロー監督と奥様のシーラさんは今の私の年頃には監督と出会って結婚されています。お二人で戦時中も一緒になって乗り越えていらしたと言うのですから、まさに映画と同様な真実
が私の直ぐ側にもあったのです。
シャーリーの演じた老いたエセルは頑なまでに自分を閉ざし、夫の死別と共に残る人生を葬りました。テディの死をいつまでも受け入れられなかった。
今とは大きく違い、大戦当時の時代の女性たちは看護婦になりましょうと言った風潮もあって職業の真の自由もなければ、男性の兵役にしても若者全員が戦争のために就かなくてはなりませんでした。なんにしても戦争から背を向けることは出来ないという厳しい体験が、後の彼女をあれ程頑なにしてしまったのですから、それは残念なことです。
しかし、偶然にもあの指輪が見つかり戻ってくることによって、縁が再び巡りそして本心の自分と愛の心を取り戻すことが出来ました。それは本当に良かったと思います。
Q: シリーズもののテレビ・ドラマでの演技経験はこうした映画に活かされましたか?
ミーシャ: テレビ・ドラマでの仕事の進め方は大変タイトで慌しくシーズン毎の成長は確かにありますがその通りの順序で撮れるとも限りません。毎度毎度違った物語の脚本を演じていると、最後がどうなってゆくのかも分かりません。
映画では物語がどう進むのか予め明確に分かっていますから、キャラクターも芯からはっきり見極められます。演技の上でも精一杯のやりがいがあります。
撮影プロセスも違いがあります。他の映画監督がどう撮るか分かりませんが、少なくともリチャード・アッテンボロー監督は役者が最も取り組みやすいよう、素晴らしい環境を整えて撮ってくれましたので大変感謝しています。
Q: 日本では既にファッション・キャラクターとしての注目も集めていますが、映画の中の1940年代のファッションは如何でしたか?
ミーシャ: 素晴らしい物だと思います。当時の女性たちは朝早く起きてから直ぐにきちんと身嗜みを整え、着飾った見た目も意識していたかが分かります。映画の上でもそうした雰囲気をきちんと捉えていています。
今回の衣装デザイナーの方も監督ともう40年来の仕事仲間ですから、とても信頼が厚いですし実際にビンテージのオリジナル衣装も用意していただきました。
私などはハイウエストのスカートをはいてみたりして、とても良かったんですけれども、あのように自分を美しく着飾る事に余念の無かった'40年代というのは素敵だなと思います。
司会: はいありがとうございました。最後にこのロマンチックな衣装や恋愛観の中にある人間模様といったものにミーシャ・バートンさんはどんな感想をお持ちですか?
ミーシャ: まずこの映画でリチャード・アッテンボロー監督と一緒に仕事が出来たのは幸運でした。筋書きを見まして感動の物語でしたし、シャーリー・マクレーンさんの役の若い頃を演じられるという女優として夢のような体験も出来ました。
そしてこのような旧大戦を通した叙事詩のような映画を撮れるのは彼が最後の監督ではないか…と思います。そうした事に関わることが出来て光栄です。
数々のお仕事のお話の中からこの映画に主演できたことは本当に幸運です。ありがとうございました。
司会: ありがとうございました。ミーシャ・バートンさんでした。 --以降--フォトセッションへ
登壇者(敬称略)
ミーシャ・バートン、司会進行 映画パーソナリティ 伊藤さとり、英語通訳 小山ちさ子
2008/4/23 都心ホテルイベントホールにて。T,Tomonaga.
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