2003年「ミニミニ大作戦」以来、また「モンスター」での2004年度アカデミー賞受賞後初めての来日となるシャーリーズ・セロン。同じ週のアカデミー賞パーティー出席後、その翌朝に出発。そして早々にアメリカに戻り映画祭に出席予定と言う過密スケジュールの中の来日。400人を超えるマスコミに囲まれる中、真摯な応対で記者会見を終えた。
司会 : それでは早速美しきシャーリーズ・セロンさんをお招きしましょう。「イーオン・フラックス」主演女優、シャーリーズ・セロンさんです、どうぞ!
シャーリーズ・セロンさんにとっても本格的アクションに挑戦した「イーオン・フラックス」。それでは早速シャーリーズ・セロンさんから先ずは日本の皆さんへ一言ご挨拶を頂きます。
シャーリーズ : 「コンニチハ」皆さんこんにちは。また日本に戻って来れてとても嬉しく思います。日本にはもう何度も来ているので、家に戻って来たようなそんな感じがしています。東京に戻って来れて本当に嬉しく思います。
司会 : はい、どうもありがとうございます。それでは早速ですがマスコミの方々からのご質問を受けます。ご質問のある方どうぞ。
Q : この映画でシャーリーズさんは髪の色をブロンドから黒へ変えていたり、特にアクション映画ということでトレーニングも積まれたと思います。その辺のご苦労の事、髪の色を変えてしまうことに抵抗はありませんでしたか?
シャーリーズ : 私は何かと退屈しがちなので髪色を変えたりするのは大好きですよ。まぁ黒く染めても結局元に戻せますからその点は全然気にもしませんでした。
むしろこの「イーオン・フラックス」のキャラクターには黒い髪の色である事が重要だと思いました。あのスーツを着用したときにブロンドの髪のままだと全然イメージが違ってしまいました。髪を短く切り、黒く染めてみるとまさに自分が戦士になった…と言う気分になりました。ですからストーリーにとっても黒という印象は重要で、ブロンドの髪のままではこの役は演じられなかったと思います。
そして今回の映画で一番の挑戦だったのはやはり肉体の改造だったと思います。これほどまでにトレーニングを必要とするハードなアクションはありませんでしたので、今回の映画では自分が何処まで耐え抜くことが出来るだろうか…という挑戦でもありました。
トレーニングのペースは本当に過酷で、殆ど毎日週に6日〜7日を1日5時間を課しました。武道、マーシャルアーツ、シルク・ド・ソレイユの方にまでうかがって、柔軟性を鍛えてきました。こうしたトレーニングは、とにかく心身ともに厳しいものがありましたけれども、やはりこのキャラクターの核心に応える為に必要でしたしイーオン・フラックスを演じることは絶対不可欠でした。
Q : 役作りの秘訣と美しくあることの秘訣を教えてください。
シャーリーズ : 私が演じてきた全ての役柄というものはそれぞれが違うものです。違う役柄を演じ分けてゆくことが俳優と言う仕事の一番の核だと思います。例えば「モンスター」と「イーオン・フラックス」の2つでは、住んでいる場所も状況も全く違いますし、これらの事だけでなく俳優とはガラッと違った役に入り込む事がその仕事だと思います。
美の秘訣ということですが、私は人が幸せであること心が穏やかなときには人が美しく居られるのではないかと思います。他の方を見ても、幸せそうな様子はとても美しく見えますし、そうした幸福感と言うものを私は信じていますよ。
あまり幸せでないと、私に付いていますメイク、ヘア・メイク、スタイリストみたいになっちゃいますから、皆さんから彼女たちにも拍手をしてあげてくださいね〜(と言って、隅にいた3人を急に立たつように促すシャーリーズ。会場は拍手と爆笑)
Q : 最近出演の打診のある脚本にグラマラスを求められるものが多いのか、或いはそうわけではないのか?また出演を決める決め手は今はどんなことか?
シャーリーズ : 先ずはこの役がグラマラスかどうかというのは考えたことは無いです。やはり題材に自分が惹かれるかどうか、ストーリーそのものに感銘を受けるか否かと言うのが大事な基準です。ですからこの役ではハイヒールと編みタイツをはくのね…ここでは泥の中を引き摺られるのね…とか、そういうことには気を止めないです。
Q : イーオン・フラックスのキャラクターと御自身との共通点相違点をお感じでしたらお話ください。今後もし自由な役柄が出来るとしたら何を演じてみたいですか?
シャーリーズ : イーオン・フラックスは自分の居る世界・環境・政治に様々疑問を感じます。何が正しいのかどうかを考え、その正義のためには殺人もする…そのように反体制組織に身を置いています。私は母に育てられる中で自分で考え時に色々なことに疑問を持ったり投じたりすることも大事だと教えられました。ですからそうした部分では共通点はあると思います。ただ、彼女がしたように自由の為にあのようには戦えるかというと、おそらくそうはしないでしょう。
映画の中のイーオン・フラックスとしての反応と同じ状況での私自身の反応とではまるで違うものだろうと思います。その点は俳優においては常に強く意識しなければならないことだと思います。えてして自分の経験や気持ちに頼った演技をしがちですが、重要なのはそのキャラクターがその時々どう感じ行動するのかを良く考えることです。
男に妹を殺されたイーオンは任務としてその男を殺しに行くのですが、イーオンは感情を表情に出しません。もし自分だったらとてもそんな冷静ではいられないと思いますが、イーオンはそういうキャラクターなのです。
でも、お気づきにならないかもしれませんが、カメラが引いたときにイーオンは自分の身体に爪が食い込むほどに感情を押し殺しているのが分かる…そんな風に私は演じました。
今後の役柄についてですが、"あんな役が出来たら"とかよく耳にしますが、私はそのような考えはしないです。脚本を読んだときに自分が驚かされたりストーリーに引き込まれる事をきっかけに、自分が入って行きたいと思える時にこそ、良い映画を創りたいと思うのです。
自分が大好きな仕事をやれているということは素晴らしい賜り事だと思いますし、いつも感謝の気持ちで一杯です。
Q : 今回の「イーオン・フラックス」であなたが得たものは何でしょう?
シャーリーズ : この映画は自分にとっては実験の場でもあったと思います。自分にとって如何にセリフではなく身体を使った演技そのものでストーリーを伝えるか…という実験だったと思います。
私は過去に12年バレリーナとしての演技表現もしてきましたが、その中で身体を使った舞台上でのパフォーマンス、ストーリーを演じ伝える事が好きになっていきました。ですからその当時の言葉は使わず身体を使ってのストーリー表現をする…というある意味私の表現のルーツに戻り、この映画で再度表現力に挑戦してみたかったのです。
今までの映画で多くの脚本家が私に素晴らしいセリフを書いてくれたのですが、今回は殆どセリフがなく如何に自分の肉体で気持・感情を表すか…と言う挑戦でした。確かにイーオン・フラックスは語りの無いキャラクターです、でもだからこそ私にとっては挑戦したい役だったのです。
楽しかったことと言えばそれは休暇の前となる毎週金曜日の夜です(笑)その夜になってやっとスタッフのみんなと食事をしたりして過ごせるからです。トレーニングも演技も、身体を動かすこと自体は楽しいものでしたが、やはり日曜の夜になるとちょっと辛い気持ちにもなりました。
司会
: それではこれをもちまして質疑応答は終わらせていただきます。ありがとうございました。
(フォト・セッションへ)
衣装コメント : トップ マルティン・マルジェラ、スカート ザック・ポーゼン
2006/3/8都内ホテル 司会進行 伊藤さとり 通訳 鈴木小百合
T,Tomonaga
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