映画『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』(Brothers of the Head)

共同監督 : キース・フルトン&ルイス・ペペ『ロスト・イン・ラ・マンチャ』
脚本 : トニー・グリゾーニ『ラスベガスをやっつけろ』『ローズ・イン・タイドランド』
原作 : ブライアン・オールディス『A.I.』
出演 : ハリー・トレッダウェイ、ルーク・トレッダウェイ、ブライアン・ディック『マスター・アンド・コマンダー』、ショーン・ハリス『24アワー・パーティー・ピープル』、ケン・ラッセル

イントロダクション

1975年 イギリス
結合体双生児ロックバンド「ザ・バンバン」衝撃のデビュー

1975年イギリス、パンクの華やかな夜明けを告げるがごとく
ロックシーンに衝撃的なデビューを飾った「ザ・バンバン」。
結合体双生児、トムとバリーによる狂気のパフォーマンスと、恐いほど美しいルックスが、
嫌悪と恐怖を熱気に変え、「ザ・バンバン」は一気にスターダムにのし上がる。
新たなロックンロール神話が誕生した。


テリー・ギリアム監督に認められた才能が生み出す"誰も見たことのない"世界

監督は、テリー・ギリアム監督未完成作"The Man Who Killed Don Quixote"の企画成立から崩壊までを描いた『ロスト・イン・ラ・マンチャ』のキース・フルトン&ルイス・ペペ監督。世界中から賞賛を浴びた監督コンビ、期待の最新作で「結合体双生児ロックバンド」という"誰も見たことのない"衝撃の題材を描く。


超美形の双子 新星トレッダウェイ兄弟

映画初主演ながら結合体双生児という難しい役所を見事に演じ切った美形の双子、ルークとハリー・トレッダウェイ。
「結合体双生児」への恐怖と嫌悪が熱気に変わる瞬間を、恐いほどの美しさで演じる。そして、実際の双子で11歳からバンドをやっている彼らならではの自信とカリスマ性が、ロックスターとしてのリアリティを与える。

記者会見

キース・フルトン(Keith Fulton)、ルイス・ペペ(Louis Pepe)両監督初来日、記者会見および舞台挨拶

司会 : それでは早速お二人からご挨拶頂きたいと思います。キース・フルトン監督から宜しくお願いします。

キース : みなさんこんにちは。今回東京国際映画祭において、この映画をプレミア上映することになり大変嬉しく思います。
実はこの3日間ずっと取材を受けていましたので、私たちが少し手も疲れを感じさせてしまうようなことがありましたら、どうかその点はご理解下さい。

ルイス : 二人とも今回の来日に大変エキサイトしております。私たちの作品が東京国際映画祭で上映されることに大変喜び興奮しています。そしてこの場をお借りして東京国際映画祭と配給のアスミックエースに感謝申し上げます。 私たちの映画が日本でもご覧頂けること大変嬉しく思います。ありがとうございました。

司会 : どうもありがとうございました。
ちなみにお二人は大学院生のころからのお付き合いでもう12年ということだそうです。

 

―― 質疑応答 ――

司会 : みなさんからのご質問の前に、先ずは私から質問させて頂きたいと思います。
まず原作があって映画を撮ったわけですが、この作品がドキュメンタリー・タッチであったが為に大変インパクトを持った映画に仕上がったとの評判になりました。
どうしてそのようなドキュメンタリー・スタイルで撮ることにしたのかお聞かせ下さい。

キース : まず私たちが原作に感じる魅力とは、物語の中でさまざまな人物がいてみんながそれぞれの意見を持っていたということです。

あたかもそれは「市民ケーン」(オーソン・ウェルズ/1941年/ATG配給)の手法と似ていて、過去のことを何人もの人が語り過去に何が起きたのか自分の中でも模索している…そうしたことです。
原作の中の登場人物も、主人公の双生児トムとバリーとの間に過去どんな関わりが在ったかなどを、みんなが語るのです。

そのように色んな人の視点と意見を採ることでドキュメンタリーは成り立っていくので、この多様な意見が語られる原作を映画化するにはやはりドキュメンタリー・タッチとするは大変馴染み易いと思いました。

この映画の登場人物にはちょっと胡散臭い人物が多くて彼らは自分に注目が集まるような証言をするのです。でも、観客のほうはなかなか彼らの言うことを信用できません。そして真実はどうしても謎のままに終わってしまいます。
そんな物語ですからやはりドキュメンタリーの手法で映画を撮ったのは相応しかったと思います。

司会 : 原作の中で特に共感した点興味をひかれた個所とはどの部分でしょうか?

ルイス : 物語にはその中心となる究極な形で結ばれた人物が二人登場します。それが結合体の双生児です。
私たち二人が長年コラボレーションをしてきていつものように思うのは二人の創作の意欲原動力が何処から生じてくるものなのか…といったことです。これは当の私たちにとっても常にミステリアスです。

彼らもまた長年の共同生活、そして私たちの数々の共同制作…友に同じ事柄に関わってゆく部分で、今回私たちはこの不思議な関わりと創作力とを、結合体の双生児の中に投影できたように思っています。

結合体であるからこそ得られた創造性は祝福されるべき素質でありますが、同時に生きてゆく上では呪いとも言えます。

Q : 今回お二人にとってはじめてフィクションを製作することになりましたが、今後はもうドキュメンタリー映画は撮らなくなってしまうのですか?

キース : 『今まさにこうして撮っているところですよ(笑)』(とキースが手元において撮影中のハンディカムをポンポンと触る)

ルイス : 私たちが映画学校で学んでいた際に、ドキュメンタリーとフィクションを別のもとの考えてはだめですよ…と教えられました。この二つとも、あくまで伝える物語が素晴らしいか否かを重視すべきだと教わりました。

ですからこれからもドキュメンタリーを作りたいという気持ちは在りますし、フィクションだって撮って行きたいと思っています。

映画界における私たちのヒーローといえば、ドキュメンタリーとフィクションのどちらも手掛けている人なのです。 例えばヴィム・ヴェンダース等の監督ですね。

司会 : ドキュメンタリーでの魅力フィクションでの魅力とはそれぞれどんなところでしょうか?

キース : 特に僕はそうなのですが、ドキュメンタリーを撮っていると本当に人間の本質を捉えたくなり、また本質がどんなかを模索しようとしたりする気持ちが強く生まれてきます。そのように意識して見る目が生まれてきます。 その事はフィクション映画を撮るにおいても大変有意義なツールであります。

大体においてフィクション映画というのは、万事セットアップされたものに覆われてしまうかのように本当の人間の言動が失われてしまう状況が沢山見受けられます。

しかし僕はそれではいけないと思っていますし、ドキュメンタリーを撮ってきた経験上で得た目が、フィクションの中でも本質を描き損なわないようなツールとして役立っていると思います。

ただ、フィクションの最たる醍醐味というのは一つ世界を作ってしまえるということに在ると思います。それはエキサイティングであるし、勿論今回のブラザーズ・オブ・ザ・ヘッドもエキサイティングなことでした。

この映画ですと1974年から75年のロンドン、それもパンクロック・シーンです。
勿論これを描く事が出来て楽しかったのですけれども、それよりもこの世界観にあたかも当時のドキュメンタリーのクルーの一部として入り込み、人々の行動を捉えたり出来たことがとてもエキサイティングなのです。
そうしたドキュメンタリーのリアルさの醍醐味はフィクションの中にも存在すると言うことです。

Q : 共同監督をすることのメリット・デメリットと言うものがあれば教えてください。

キース : 共同監督であるというのは難しいことです。
そして現に一般にこの業界では共同監督というのはなかなか認められていません。

また、製作に関わるスタッフと言うのは往々にして"自分が監督に一番近い者なんだ"という立場になれることを狙います。しかし、残念ながら僕たちの場合は二人お互いがそうした間柄なので、だれもその関係には入れ込む余地もありません。

ですからスタッフからは少し距離を置かれることになりますし、またマスコミの対応にしても、どちらか一方の監督がアイデアのソースを持っていたのをもう一方がそれを補ったんだ…という風にしたがるものなのです。

ですから二人居いてどちらのアイデアなのかも今ひとつ曖昧に報道するしかなくなってしまうようですし、ジャーナリスト等からも共同制作のスタイルにはあまり良い顔をされなくなったりもします。
僕たちは問題なく楽しくやっていますが、周りの人たちはどうも違和感があったり難しく感じるようです。

ルイス : 私はそれとはまた違うとも感じています(笑)

ともかく映画製作というものは本当にありとあらゆる事をしてゆかねばならなくなります。ですから一人の人間が監督として全部の事柄をこなすと言うのは、逆に私にとっては奇跡に近いことのように思いますね。

過去に巨匠と言われた監督も、必ずといって良いようにコラボレーションしてきたスタッフが居ます。ヒッチコック監督やフェリーニ監督もまた然りです。

映画自体が様々な要素の共同作業体ですから、創作活動の過程ではコラボレートの精神は必要不可欠だと思います。

それは映画に限らず音楽にも共通するのだと思います。ポール・マッカートニーとジョン・レノンであったり、ミック・ジャガーとキース・リチャーズであったり。このようなコラボレートをすることになる間柄と同じなんだと思います。

Q : 映画の物語の背景が'70年代のイギリスですが、映画以前にこの時代のパンクに興味はあったのでしょうか。またお2人はどんな音楽を聴いていましたか?

キース : ちょっと残念な事ではありますが(笑)当時に僕がパンク好きの連中と居たら多分みんな僕につばを吐きかけたんじゃないかと思います。

というのも僕はレッド・ツェッペリンやピンク・フロイドなんかを好んで聴いていましたから。これではパンクとは言わば真逆のバンドですから、「何でオマエそんなの聴いてるんだよ」と言われたに違いありません。

私は今年40歳になり、中年を迎えるにあたり色々問題を抱え始めていますが、これらストレスを解消するにパンクロックはもってこいだと思うようになりました。当時は全くそんなストレスも無かったですから、今になって経験して楽しんでいます。

ルイス : 私は当時ベートーヴェンやリストを聴いていましたよ。でも、考えてみると彼らは19世紀においては今日のパンク・ロッカーのようではなかったかと思います。

司会 : はい、どうもありがとうございました。(以降フォト・セッションへ)


2006/10/26六本木ヒルズ アカデミーヒルズ 司会進行 伊藤さとり、通訳 竹内万理
T,Tomonaga

 

 


2007年新春 渋谷シネマライズほか全国順次ロードショー
配給:アスミック・エース >>オフィシャルサイト

 

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2006/1/29更新

『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』
2007年新春 渋谷シネマライズほか全国順次ロードショー

キース・フルトン監督

ルイス・ペペ監督

会見の暗転時にも熱心にハンディカムを回してドキュメンタリーの素材を収録していたキース(上)とルイス(下)両監督

フォトセッションでは物語のトムとバリーの姿(結合体双生児)をサービスする両監督

ルイス・ペペ監督'70年代当時はリスト、ベートーヴェン等のクラシックを愛聴していたそう

 

 

 

 

 

 

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