■「白いカラス」
ロバート・ベントン監督来日記念記者会見と特別試写会

6月1日東京銀座ガスホールで日経エンタテインメント主催のもと記者会見と特別試写会が開かれました。

「クレイマー・クレイマー」の名匠ロバート・ベントン監督が初来日。ゲストに「白いカラス賞」※を受賞したマルシアさんを迎え、花束贈呈、この作品を通して感じたことや、監督の映画について共に語って頂きました。

※“白いカラス”賞とは:本作品の公式HP上で、人生の荒波にもまれながらも強くいきていく二コール・キッドマンのように(もしくは、劇中のフォー二アのように、人生の困難にかかわっても、それでも生きていこうとする女性の強さ)、たくましく、凛とした女性は誰だと思いますか?という募集の中から1位に輝いた方に贈る賞です。


ベントン監督: みなさまこんばんは。やっと日本に来ることができましてとっても嬉しく思っております。前々から日本には来たいと思っていたんですけど、なかなかそれが叶わなかったので今回初来日ということでほんとに夢がかなったような気持でおります。 このたびは『白いカラス』という映画なんですけれども、これはある若者の初恋の物語、と同じ人物の最後の恋を表しています。

-3回アカデミー賞を受賞された大監督、偉大監督なので僕の方も緊張しているのでどうも申し訳ありません。みなさんに変わって少し質問させて頂きます。二大スターニコール・キッドマンとアンソニー・ホプキンスの競演でほんとに豪華なんですけれども、この キャスティングの理由というか魅力についてお話して頂きたいと思います。

ベントン監督: 映画監督としましては、俳優さんというのに非常に頼る部分が多いんですね。ですからどの俳優さんを通して表現するか、どの俳優さんと一緒に映画を創るかというのは私の監督業の中で一番重要な部分です。

俳優さんを選ぶ時には非常に慎重になります。
あるときダスティン・ホフマンが言った言葉なんですが、演技というものと所作・しぐさ・振る舞いというものがあると。これは2つ違うものであって、 恐怖、怒り、愛情表現というのは演技でできるものだと。 しかしながら知性、情熱、色気、ウィットはその人が持っているか持っていないかの資質であって演技してカバーできないものなのです。

ですから主役のコールマン・シルクという役には一番に必要だったのは" 知性(知的な部分と)、権力(ちから)、怒り " これをもう持っている人物ということでいろいろ考えた結果、アンソニー・ホプキンスしかいないということになりました。
そしてニコール・キッドマンに関しましては以前にもビリー・バスケットで一緒に仕事をしたことがあるんですけれども、本当に彼女のことを尊敬していますし親友でもあるんですけれども、あれだけ 美しくてしかも本当の意味でキャラクターアクター要するに演技派女優だと思うんですね。
彼女の幅というのはほんとに計り知れないものがありまして、あれだけ若いのにほんとにいろんな役に挑戦していると思うんです。ですから今回のフォーニア役には 彼女しかいないと、こういうふうに思うわけです。

-人種問題という非常に難しいテーマを取り上げている訳なんですけれども、そのねらいというものを教えてください。

ベントン監督: この映画の中では秘密を持った二人の人物が出てきます。
ひとりは人種的なこと、そしてもうひとりは過去に秘密を持っていることなんですけれども、 アメリカの20世紀の半ば頃、南部でこの人種差別問題はものすごい問題になっていたんですね。そのことを今、現代にもう一度問いてみたい。そのことが私は重要なことのようにに思えたんですね。

前にプレイスインザハートという映画を作ったことがあるんですけれど、これは30年代のあるアメリカの小さな街を描いてるんです。この映画を作った理由は、自分の息子に私が生まれ育った環境を見せたかった。
私はテキサスの小さな街で育っている訳ですけど、息子はニューヨークで育っている。その違いというものを彼に 息子に説明したかったんですね。今回の映画でもやはり今のアメリカと当時のアメリカは非常にいい意味でも悪い意味でもいろいろな意味で違っているんですね。今日は是非ともその辺のことを伝えたかったのです。

-ここで監督にやって頂こうと思っていることがございます。白いカラスの公式HPでアンケートを取ったんですよ。この映画のテーマですよね、"人間ていったいどういう生き物なのか"、"外見と内面の矛盾"、それから困難のなかでも生きていかなければならないというということが描かれていると思います。更にもうひとつニコール・キッドマンは非常に凛とした女性でしたが、こんなに芯の強い女性って素晴らしいなと思います。そこで今回はニコールのように内面的強さを持った日本の女性芸能人とは誰ですかというアンケートを取りましたら、この方が見事一位に輝きました。そこで今回は授賞式を行いたいと思います。
マルシアさんです。どうぞ。

-マルシアさん花束をお渡しくださいませ。そして今日はロバート・ベントン監督から「白いカラス賞」ということで白いカラスのオブジェを授与してして頂きたいと思います。

-「白いカラス賞」を受賞されて今のお気持は?

マルシア: すごく複雑?! (笑) " I don't Know." ってかんじでございますが、こういう形で監督とお会いできたことが非常に嬉しいです。

ベントン監督: 私もすごく嬉しいです。

-マルシアさんはこの映画をすごく気に入ってるそうですね。

マルシア: 拝見させて頂いてもう2,3回見てるんです。見れば見るほど味が出る。(するめ)イカ噛んでる感じ(笑) 味が出て湧いてくる。とても考えされられる映画でございました。
いろいろな人物が出ていらっしゃる、もちろん主人公もいらっしゃるんですけど、それぞれに強さが浮いてくるんですけれども、その強さはほんとは強くないんですよね。ほんとは裏なんだなというところが見えてしまったりして、 "助けてあげたい"  逆に言うと もし自分がそういう立場だったらどういう風に切り開らけるのかなと感じさせられたり、つい涙もホロッという感じでした。

-マルシアさんからベントン監督になにか質問をひとつ

マルシア: 以前映画を拝見させて頂いたんですけど、とってもドキュメンタリータッチの映画が多くて私は大好きでございます。 これからどういう映画をお作りになるんでしょうか?

ベントン監督: 毎回映画を作るたびにですね、まだ自分が達成していないものに挑戦していくという気持でやっているんですね。ですから自分の中にあるいろんな疑問とか質問に対する答えを探す旅になると思います。

-最後にこれから映画をご覧になる方に監督から一言お願いします。

ベントン監督: もう一度、再度申し上げますけど日本に来れてとっても嬉しく思います。この映画というのは大変複雑な映画でして、自分にとって非常にパーソナルな、自分に近いところにある映画なんです。これはほんとに偉大なアメリカの作家であるフィリップ・ロスの小説をアダプテーションしたものなんですけど、この映画をみなさんの前にプレゼントする、こういうふうにお送りするというのはとっても嬉しく思います。どうぞみなさま最後まで楽しんで頂けたらと思います。

2004/6/1 銀座ガスホールにて text & photo : HUIT


『白いカラス』
6月19日(土)より みゆき座ほか全国東宝映画にてロードショー

ギャガ・ヒューマックス共同配給

 

>>BACK 「 白いカラス」TOP

↑go to PAGE TOP



↑初来日のロバート・ベントン監督。穏やかな表情のなかにも威厳が感じられました。

↑写真右 インタビュアーの日経エンタテインメント小川編集長、インタビューは終始和やかな雰囲気で進んでいきました。

↑マルシアさんと{白いカラス」のオブジェ。羽と白いカーネーションの花びらでできている。
「強く生きたいというより、人間としてちゃんと生きたい。前向きに」

サーチエンジン [MORE] [NEW WINDOW]