映画 『ミリオンダラー・ベイビー』
ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマン来日記者会見

5月29日、都内ホテルにて『ミリオンダラー・ベイビー』のプロモーションのためヒラリー・スワンクとモーガン・フリーマンが揃って来日し記者会見を行なった。

映画『ミリオンダラー・ベイビー』は本年度アカデミー賞の作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞を受賞した作品。更にゴールデングローブ賞の監督賞と主演女優賞も受賞している。
主演女優のヒラリー・スワンクと助演男優のモーガン・フリーマンは会見でクリント・イーストウッド監督の魅力や撮影のエピソードを語った。


司会 : 映画『ミリオンダラー・ベイビー』来日記者会見です。ヒラリー・スワンクさん、モーガン・フリーマンさんです。拍手でお迎えください、どうぞ。
 たくさんの記者がお二人が来日するということで、これだけ集まってくださいました。
 さあ早速お二人から、まずはご挨拶をいただきたいと思います。 では、ヒラリー・スワンクさんお願いします。

ヒラリー : 今回が初来日です。とっても日本に来れて嬉しく思っています。皆様今日は会場にお越しいただきましてありがとうございます。
 私と初めて会うと思います。モーガンさんには何度かお会いになっている方もいらっしゃると思うんですけど、今回ミリオンダラー・ベイビーをプロモーションできるということでとっても嬉しく思っています。

モーガン : 「オハヨウゴザイマス」(と両手を広げ日本語で挨拶)
今回の来日で4回目になります。日本は大変素晴らしく、私は楽しみにしておりまして、来れて大変嬉しいと思っています。素晴らしい映画のプロモーションということ、そしてこんなに美しい女性とプロモーションに来られたということで、とても喜んでおります。(ヒラリーが、はにかんで笑う)

司会 : まず、私たちからはアカデミー賞、オスカー受賞おめでとうございますを言いたいですよね。「おめでとうございます」(会場拍手)

『ミリオンダラー・ベイビー』、賞を取るにふさわしい作品だと思いました。出演されて感じてみて、アカデミー賞をとる勝因は何だと思いますか? ヒラリーさんから行きましょうか。

ヒラリー : やはり心に訴える映画だと思うんですね。そして本物のリアルな人々を描いていますし、非常に普遍性を持った映画だと思います。

モーガン : 確かにストーリーに関しましてのコメントは、今ヒラリーの言ったことに同意です。 ただアメリカにおきまして、アカデミー賞は、伝統的には車椅子に乗って全く動けなくなった方がメインのキャラクターだった場合には、だいたい賞を受賞するんではないかということが考えられております。

ヒラリー : やはり、監督クリント・イーストウッドというのも勝因のひとつじゃないかと思います。(笑)
  (受賞に関して)大変光栄に思っていますし、また驚きでもあったんです。自分では未だに実感がないので時々自分をつねったりして本当なんだっていうことを確認していますが、一緒にノミネーションされた素晴らしい女優さんたちを本当に尊敬していますので、未だに信じられない気持ちです。

モーガン : もちろん受賞に関しましては私とても喜んでおります。ただですね、受賞に関しまして一番最高だったことは私一人ではなくクリント、ヒラリー、そしてまた映画という作品ですね、いろいろ受賞しておりまして、私もそのひとつとして受賞したという点が、私はとても嬉しかったです。

―質疑応答―

Q : かなり試合のシーンは迫力があったのですが、時々殴られたとかパンチを浴びたということはあったんですか?

ヒラリー : 何回もパンチを浴びました。(会場からどよめきが起こる)でもこれはある意味では私の役作りには良かったんです。本物のボクサーの気持ちがわかりましたので。
 トレーニングをしているときに、私のトレーナーはフェィスガードをさせてくれなかったんです。というのはフェイスガードをしてしまうと頭の動きが鈍くなってしまう、ボクサーにとって頭が動かせるというのはとっても重要なことなのでフェイスガードをしてなかったんです。
 最後の対戦相手を演じたルシア・ライカはプロのボクサーなんですけど、彼女とのシーンで5つほど武器があったんですね。右フックを彼女から浴びるときには、必ず下によけるということだったんですけど、それを忘れてしまってもろに浴びてしまいました。
 私はTシャツに「私はルシア・ライカにパンチを浴びたけど生き伸びた」と胸に書いたものを作りたかったくらいです。

Q : ヒラリー・スワンクさん、モーガン・フリーマンさん、クリント・イーストウッドさん、お三方の演技のアンサンブルが大変印象的なのですが、それぞれ共演の感想と影響を受けた点を教えていただけますか?

モーガン : クリントさんとは以前にもちろん映画でご一緒する機会がありましたので、今回二回めの機会を得たということで非常に楽しみにしておりました。
 そして、ヒラリーの作品も見ておりましたので、いろいろな作品でとても楽しみに共演させていただきました。今影響を受けるという話がありましたけど、いろいろな作品でいろんな方と共演するということは、必ず何かのいい影響を受けると思います。
 ちょうどチェスのゲームをやっている時に、上手い方とゲームをすれば自分も同じように上手くなるということがあると思いますので、素晴らしい俳優さんと共演してその結果ですね、非常にすぐれたものが出来上がってくるということを感じております。

ヒラリー : 今、モーガンさんが言ったことと本当に同じ意見です。
それに付け加えるとすれば、モーガン・フリーマンさんとクリント・イーストウッドさんと仕事をするっていうのは私の夢でした。ですから夢が叶ったんです。
 今までの人生の中で、そして仕事をしてきた中で私にとって最高の体験でした。また機会があれば是非ともモーガンさんとクリントさんと一緒に仕事をしたいんですね。彼らは本当に経験豊富で、いつも腕を取って私にその才能がこちらに移るようにとおまじないをしていました。

Q : 日本に来てどんなことを楽しみたいですか。モーガンさんのおすすめは?

ヒラリー : 確かに今回初来日ということで、とにかくずっと昔から日本には来たかったんですね。チャンスが訪れたことで嬉しかったんです。この国についていろんな話を聞いてきたんですけど、それが全部本当でした。日本人の方々ほんとに親切で心が広くて、礼儀正しい。私は世界中いろいろなところに行って、日本が一番親切な国だというふうに今、感じています。大変礼儀正しい人々、街もとっても美しいと思います。
 とにかくやること、観るものが多くて、インタビューが多すぎてなかなか行けないんですけど、できるだけいろいろ歩き回って、ショッピングも少ししました。これからはお寺とか、京都にも行きたいと思っています。

モーガン : ヒラリーは私がアドバイスして行くようなことろを全部わかっているようなんですけど、前回私が来日したときに大阪、京都に行ったんです。ですから電車に乗って大阪、京都に行ったらいいんじゃないかなと思います。

ヒラリー : ええ。そのアドバイス、そのとおりにします。

Q : 映画の中で演じたマギーという女性はヒラリーさんの実年齢とほぼ同じ31歳ということなんですが、マギーというキャラクターはどのように思われましたか?
 
また実際ヒラリーさんが事故に遇われてしまったらどのような選択をするか教えてください。

ヒラリー : 今まで演じてきたどの役よりも、マギーというのが一番近い役だと思います。私たちの背景も似ていますし、マギーと同じように私もずっと夢を求めてきました。そして私を信じる人がいたのでここまで来て非常にラッキーだったと思っています。
 そして、どういう選択をしたかについては、その部分に関しては私の仕事は女優としてこの物語を語るというのが仕事であって、必ずしもマギーがした選択が、私の選択であるとか、私の意見というのが反映されているとかいうものではないです。
 マギーが選んだ人生なんです。クリント・イーストウッド監督が選択したものでもなければ、私が選択したものでもないです。

Q : 監督としてのクリント・イーストウッドの魅力と、他の監督にはない演出の仕方を教えてください。

ヒラリー : クリント・イーストウッドという人はですね、本当に特殊な人物です。本当に彼しかいないんではないかと思うほど、本当に才能がありますし、彼がいつも言うのは「この仕事にぴったりのふさわしい人を選ぶだけで、あとはその人に任せるんだ」といつも言ってていますが、この映画を観る限りで私が気付くのは、彼はそっと私たちをガイドしていて、若干リードしているんだということがよくわかります。
 特に彼が私たちを強制することもなければプッシュすることもない。でも常に見張ってはいるんですね。そういうところが素晴らしいですし、また人間的にも本当に素敵な方です。

モーガン : 彼は自分自身が俳優なのでどういうものかわかっている。プロセスがどうであるかということをわかってらっしゃるというのが大きな特徴です。ですから作業に対するアプローチというのは実際の監督という意味で示している、監督しているということはないんじゃないかと思います。
 私たちを非常に尊重してくださる。そしてまた、映画をこうあるべきという方向には確かに導いています。作品としては導いていますけど、私が非常に感謝している点は俳優に対して自由を与えてくれることです。
監督としてのアドバイスとか、ガイドラインを与えるのでなく、私たちが役を理解しているという理解のもとで自由を与えてくれるところを感謝しています。
 そしてまた、他の監督と違う点ですけど、他の監督さんがよくやるように撮影所に来て「アクション! カット!」そういうことを言ったりはしないんです。なんとなく自然に撮影所に来て、撮影に入っていくという非常に自然なやり方をしてくださるのが、非常に違った点です。

Q : 撮影中のハプニング的な面白マル秘エピソードがあれば教えてください。

モーガン : バッドクエスチョン。(会場笑)
 なぜなら、そういうびっくりするようなことは何もなかったんですね。監督はとにかく準備を万端にされてる方ですので、撮影に入るときは、すべて準備が整った状態でいらっしゃいます。ですから時間を非常に厳守される方ですし、予算に対してもすべてバジェット内で行われますので、そういった意味でびっくりしたような出来事というのは何もありませんでした。少なくとも私が知っている範囲ではありませんでした。

ヒラリー : 但し、私は殴られますけど。(会場笑い) やはり、パンチを浴びたっていう、それくらいしか思いつきません。何度もね。(笑)

司会 : どうもありがとうございました。これを持ちまして質疑応答は終了させていただきます。

―栗山千明登場、花束贈呈―

司会 : 非常にこの映画に共感されたということです。映画『キル・ビル』でも大活躍していました、ゴーゴー夕張役でした、栗山千明さんです。どうぞ。

栗山 : 私がこの場に参加できたことをすごく嬉しく思っています。お二人に会うことができて、この作品を見ることができて、女優というお仕事をしていて良かったなと思いました。

司会 : どうですか? 映画ご覧になってみて。

栗山 : いろいろ感じることがたくさんあったので、すごく難しいんですけど、年齢を超えた友情だったり、愛情というものを感じて胸にきゅーつとくるようなストーリーでした。

司会 : 実際にスクリーンの中でご覧になっていたお二方が隣にいるわけですよね。

栗山 : もう、感激です。

司会 : ヒラリー・スワンクさん、演技ご覧になっていかがですか?

栗山 : 本当にお会いしても、マギーがここにいるという感覚なので、お会いしたときに涙ぐんでしまうような感覚でした。でもすごくマギーは力強く一生懸命生きる女性というので、かっこいいなあっていう気持ちがあったんですけど、かっこいいなあ、きれいだなあっていうのをかんじました。きれいっていうのはすごく思いました。

司会 : モーガンさんはいかがでしたか?

栗山 : いろんな映画を観させていただいていたので、もちろん感激なんですけど、すごく紳士的にご挨拶していただけたり、すごく尊敬するかっこいい方だと思いました。

司会 : では栗山千明さん、どうもありがとうございました。
 ヒラリー・スワンクさん、モーガン・フリーマンさんお疲れザでした。以上を持ちまして記者会見を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

 

2005/5/25 都内ホテルにて TEXT & PHOTO : HUIT

 

『ミリオンダラー・ベイビー』
5月28日(土)より、ロードショー

提供 : ムービーアイ+ポニーキャニオン+松竹+博報堂DYメディアパートナーズ+テレビ東京+WOWOW

配給 : ムービーアイ・松竹共同配給
(C)2004 Lakeshore International. All Rights Reserved.

 

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↑主演女優、マギー役のヒラリー・スワンク
1974年7月30日生まれ、アメリカ出身。スポーツ万能で水泳のジュニア・オリンピックの選考会にも参加するほどの身体能力。『ボーイズ・ドント・クライ』(99)でもアカデミー賞主演女優賞を受賞している。

↑エディ“スクラップ”役のモーガン・フリーマン
1937年6月1日生まれ、米テネシー州メンフィス出身。今まで30本近い作品に出演している得難い名優。 本作で助演男優賞を受賞した。

↑ヒラリーとモーガンはお互いを尊重し合い、とても良い関係。

↑栗山千明が花束を手に駆けつける。

↑ヒラリーはクリスチャン・ディオールのワンピースを着用。自分とスタイリストのチョイスでディオールのドレスを6着ほど持ってきたという。表参道などでもショッピングを楽しんだそう。

↑ゲスト : 栗山千明
映画『キル・ビル』でゴーゴー夕張役を演じ、ハリウッドデビューしている。


 

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