映画 『Shall we Dance?』
リチャード・ギア、ピーター・チェルソム監督来日記者会見

 

3月28日、東京新宿、パークハイアットにて日本発「Shall we ダンス?」のリメイク版「Shall we Dance?」のプロモーションで主演のリチャード・ギアとピーター・チェルソム監督が来日し記者会見が行われた。

リチャード・ギアは黒澤明監督の『八月の狂詩曲(ラプソディー)』にも出演するなど日本映画と関係が非常に深く親日家で有名。今回で7回目の来日となる。 会場には610媒体ものマスコミ関係者が詰めかけ大変賑やかな記者会見となった。


ピーター・チェルソム監督(以下監督) : こんなにお集まりいただきましてありがとうございます。今回この作品が日本で公開されるということで大変今、嬉しい気持ちと、そしてナーバスな気持ちを感じています。もともとリメイクの話をいただいた時には、実は最初はお断り申し上げたんです。というのも最近の作品でありますし、そしてオリジナルが本当に素晴らしい作品だったから。それで結局は作ることになって、こうやって皆さんにお見せすることができることになったわけなんですけれども、日本の開催中にですね、自分の最初の判断が間違っていたということを皆さんが僕に教えていただければ嬉しいと思います。

リチャード・ギア(以下リチャード) : 初来日は25年前だったんですけど、こんなにカメラマンがいたという記憶はありません。今日は本当にびっくりいたしました。
日本には何回も来ておりますが、今回は順序を逆にいたしました。京都で過ごして、それから東京に参りましたので、もう時差は解消いたしまして、とてもフレッシュな頭でおります。
ピーター監督もおっしゃいましたけど、この映画に関わりましたみんなは日本版のオリジナルはパーフェクトだった。あれをああいうふうに作ることはできない。アメリカ版のリメイク版はベストをしようじゃないかという気持ちでやりました。それが果たして成功したかどうかは、今からテストされるわけですけど、とにかく我々がベストの意図を持って、そして最良のモチベーションを持って作ったわけなんです。それを日本の方に観ていただきたいと思います。

司会 : ありがとうございました。ではこれより、質疑応答に移ります。
では質問ある方は挙手でお願いいたします。

Q : (リチャードに)今回の映画にあたって、かなりのダンスレッスンを積んだとお伺いしましたが、撮影が終わった後も体に身に付いたものとしてダンスが残っているのでしょうか? それとも、役を終わった時点できれいにリセットされてしまうものなのでしょうか? 

リチャード : ピーター(監督)は最初のダンスのリハーサルにおいでいただいたんです。それは本当にひどいものでした。この映画のなかで、あのキャラクターが段々下手なのが上達していく、あれがまさにリチャードの進歩そのもので、最初はちゃんと歩くこともできないのが、一応最後はあのコンテストの場面でそれなりにダンスを踊れる、あれは正に彼自身が経験したことです。

映画の撮影前に3ヵ月の大変な特訓がありました。、それから撮影の後、或いは時間外でリハーサルして、結局5ヵ月間そういう期間を過ごしたわけです。そして最後のチャンピオンシップの場面ではまあまあ、うまく踊れるまでいったわけなんですね。本当に何かを学ぶということはですね、自分でもあの場面を観て"我ながら上手いな"と思って驚いたわけなんですけど、やっぱり学ぶということは、そのプログレスにおいては自分ではあまり意識しないわけなんですね。結果を見て初めてあ、僕これだけ上手くなったなと思うもので、この場合もそうです。最後の場面を観て"まあ、結構うまく踊ってるじゃないの"というかんじでした。

今の妻と結婚したんですけど、パーティーをしていなかったので、この映画が終わった後に披露宴というかそういうものを開いたんです。忙しくて披露宴もできなくて、やっと時間ができて披露宴ができました。

その時に妻が踊りましょうと言ったんですね、私は彼女が踊れないと思っていたので「本当に本気でやるの?」と言ったら大丈夫だって言いまして、スポットライトを浴びてふたりだけが空のフロアで踊りはじめました。先にやってって彼女が言うものですから、映画から学んだステップをやったら、ちゃんと付いてきてすごく素晴らしいダンスができました。(実はリチャードの奥さまは映画の撮影中、リチャードに内緒で社交ダンスを習っていらしたとのこと) とても素晴らしい夜でした。

Q : (監督に)この作品はオリジナルが日本でも世界でも評価を浴び、イメージが作られていますが、それを監督されたご苦労を具体的におっしゃってください。

監督 : まず、我々の作りましたこの作品、非常にオリジナル版と近いというふうに自分たちで自負しておりまして、ただストーリーは同じなんですけど、通して語られるフィルターが違うとそういうふうに思っております。
今回リメイクを作るにあたって、わざわざ差をつけようとは一切思わなかったんですね。そうではなくてストーリーを大切にして作ったんですけれども、一番オリジナルと差が大きいところというのは、中心人物の設定「ジョン・クラーク」というキャラクターの設定が違うところ、彼が裕福な状況にあったという部分、そして人生は紙の上ではパーフェクトですよね、けれどもそのパーフェクトな状態でも人生というのは欠けているものも時にはあるんだという部分、リスト化されてしまった理想的な人生以上の何か欠けているものが人にはあるんだ、これは原作、オリジナルと一番違うところではないかなと思います。

Q : (リチャードに)オリジナル版の役所広司さんの演技についてどう思われますか? またもし、共演するとしたらどんな役柄で共演したいですか?

リチャード : 役所さんの演技は完璧でした。あれ以上の演技なんて想像できません。
監督もそうなんですけど、パーフェクトなものをどうして手をつけて超えられるか、それが一番我々にとっては問題だったわけです。
役所さんの演技はとっても微妙でシンプルです。どんな演技のなかでむずかしいのはシンプルだっていうことです。ですから、我々としてできることは西洋の特にアメリカの文化のフィルターにかける、これ以外やることはないわけですね。

私は何もこれを中年男の危機ってよくありますけど、ただのそういう映画にはしたくなかった。それよりも大きくて深くてもっとミステリアスな問題に置き換えたかった。彼は最初は何故自分がこういう行動に出たか、自分でもわかってなかった。彼は自分の中で条件付けされている男ですから、多分女に惹かれたのかなと僕は考えていた。でもそれはそうではないわけですね、もちろん。そうではなくて、女にただ惹かれた、そういう簡単なものではなくて、もっと違う大きな問題、男は成長してハートが大きくなる心が大きくなる、抑制を取り払っていく、枠の中から飛び出していく、そういうところを一番描きたいと思ったんです。その問題というのは文化に関係ございません。年齢にも関係ございません。お金を持っているか持っていないかにも関係ない、人間すべてが抱えている問題なんです。そこを描きたかったんです。

それから日本版と違って、アメリカ版がもう少しフォーカスが深いのは、いわゆる結婚というテーマに焦点をあてて語るというのが、我々版のひとつの違いではないかと思います。

もうひとつはスーザン・サランドン演じる妻が、日本版の妻のキャラクターとは随分違います。ユーモアもあるし、人とのコミュニケーションも上手だし、素晴らしい母親だし、ちゃんと自分の仕事も持っている、これが日本のいわゆるあの妻というキャラクターとは全然違うふうになっています。ですから、この夫婦は決してコミュニケーションが足りない夫婦ではないわけです。二人はちゃんとコミュニケーションしている。だからその問題じゃないんなら、もっと他にミステリアスな問題があるんだなっていうことが観客に伝わるわけです。

Q : (リチャードに)今回の映画『Shall we Dance?』のキャッチフレーズで"幸せに飽きたら、ダンスを習おう。"とあったんですけれども、もちろん順風満帆でお幸せなリチャード・ギアさんだと思うんですが、もし幸せに飽きたらダンス以外では何をしたいですか?

リチャード : 私はあまりにも今幸せで、実際何も飽きておりません。本当に満足です。

Q : では幸せに生きる秘訣を教えてください。

リチャード : 子どもって飽きることがないじゃないですか。(水の入ったグラスを手に取る)これだけだって何時間でも遊ぶくらい、ずーっと遊んでます。ところが大人になるとなぜかすべてに飽きてくるんですね。だから子どものようにどんなシンプルなものでも限りなく面白いものだっていう、その心を取り戻すことが大切だと思います。

Q : (リチャードに)この映画を観て社交ダンスに憧れて、ダンスを始めようという方が多いと思います。何か一言アドバイスをいただけますか?

リチャード : 私がこの人生で間違いはひとつ、ダンス学校を開かなかったことです。もし開いていれば我々は超リッチになっていたと思います。(笑)

私はこの映画に出るために、いろんなダンス学校に通いました。もちろん、本当のプロのいるダンス教室ですね。ニューヨーク郊外の小さな街にあるダンス教室での話です。

私といつも来てる人があと二人いました。85歳くらいのおばあさん、真っ赤っ赤の赤毛で、すごい派手な洋服を着ていらっしゃる。その相手の踊ってくれる先生が大抵ロシア人でした。ダンスの先生っていうのはロシア系の方が多いんですね。ウクライナとか、旧ソ連から出てきた方。そこもやっぱりロシア人が先生でした。とっても上手なんです。そのおばあさんは私より上手かった。

踊っているところににインド人の方が、カチカチになっていらした。"なんで僕がここに来てんのか?"みたいな顔をして入ってきました。そしてロシアの美しい女性がお付き合いする。第1回目のレッスンを見たわけです。彼は映画と同じで動けない。女に触ることも怖い。

三度目くらいで彼と話しをしました。とっても成功しているお医者様でしたが、なぜかダンスが習いたくなったというんですね。最初はとんでもなく下手くそな彼が段々上手くなってくる、それでも非常にひどい踊りであったけれども。でも幸せでした。そのダンスの教室を待つのがもどかしいっていうくらい幸せそうにそこに来る。子どもの歓びと言ってます、動く歓び。ほんとに素晴らしかったです。

司会 : ありがとうございました。これで質疑応答は終了とさせていただきます。

リチャード : 最後にひとつだけ映画と関係ないことですが、これは日本の首相と同じでございますけど、中国に武器を売るあの行動に反対。或いは止めさせていただきたい。それから中国が台湾に戦争を仕掛けるというあの法案にも絶対反対でございます。それを言わせてください。(会場拍手)

ドモ、アリガト。Thank you everybody.

 

 

『Shall we Dance?』
4月23日(土)より、全国東宝洋画系にてロードショー

提供 : ギャガ・コミュニケーションズ×日本テレビ×バップ/オリジナル・サウンドトラック:ユニバーサル ミュージック / ギャガ・ヒューマックス協同配給

配給 : ギャガ・コミュニケーションズ Powered by ヒューマックスシネマ

 

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