1980年代。サンスランシスコ。全財産21ドルから億万長者へ??そんな夢のような人生を本当に実現させた男がいた。妻と5歳の息子と3人で暮らしていたセールスマンのクリス・ガードナーは家賃も払えず、どん底の生活を送っていた。ついには、妻が出て行き、家を追い出され、暖かいベッドも、パンを買うお金もなくしてしまう。そんなクリスが最後に選んだ道は自分の才能を信じて、一流証券会社へ入社することだった。しかし6ヶ月無給のインターンを経て、正式採用されるのはただ一人。朝、息子を託児所へ届け、昼は研修、夕方は教会へ無料のベッドを求めて並び、運悪く出遅れると駅のベンチで夜を明かす。こうしてクリスの奮闘の日々が始まった。
全米が、この全身全霊をかけて掴み取った幸せに感動し、父子の深い愛に泣いた。それは夢物語ではない。すべての人に起こりうる不運と、すべての人に与えられた可能性の物語なのだ。
クリス役は、『メン・イン・ブラック』など、数多くのメガ・ヒット作で知られるウィル・スミス。オーディションで選ばれたクリスの息子役は、ウィル・スミスの実の息子であるジェイデン・クリストファー・サイア・スミス。キュートでけなげな姿が、観る者の胸を締め付ける。監督は、欧米で数々の映画賞に輝くイタリア映画界期待の新鋭ガブリエレ・ムッチーノ。"全米が泣いた実話"に各賞で話題沸騰!!
『幸せのちから』(原題 : The Pursuit of Happyness)ウィル・スミス来日記者会見
この映画で、初の親子競演となったウィル・スミス。父子競演でのコツを奥さんから指南されたという話や、息子ジェイデンの事ではすっかりオヤバカ状態だった彼の笑みからは、正に幸せを求めてきたスミス一家の暖かさがうかがい知れた。
一方で、自身の今後のキャリア目標などのシリアスな内容についても熱く語ってくれた。7度目の来日でもあり、終始ご機嫌だった彼の会見を、彼の人間味溢れる表情を交えて伝える。
司会
『幸せのちから』主演のスペシャルゲスト、Mr,ウィル・スミス!(拍手の中登壇)…ようこそいらっしゃいました。
今回7回目の来日だそうです…ありがとうございます。
スミス : ドウミアリガト…
司会 : 今回この作品の中ではロボットもエイリアンも出てきません(笑)
スミス : その通りです、ロボットもエイリアンも出てきませんし爆発シーンも無いと言うのに、何故公開した国々で大ヒット!アメリカ イギリス
オーストラリア イタリア…どこでもお客さんが観に来るのは僕には分からないですね(笑)
司会 : 何をおっしゃいますか(笑)映画原作本も、NYタイムスベストセラー3週連続1位がまだ続いてるんですよ。
スミス : そうでしたね。でも真面目な話、この映画は素晴らしい人間模様を描いていると言うのが評判を博した理由だと思います。
みなさんに共感してもらえたのは、人はみな幸せになりたいという気持ちを持っているからなんだと思います。その心の琴線に触れる映画なのだと思います。
質疑応答
Q : 親子初競演の率直な感想と出来上がった映画を観て2人でどんな事を話しましたか?
スミス : 今回息子と競演した出来事と言うのは、実際の親子関係の上で今後一生より良いものをもたらす事になったと思います。
映画の中、親子で口同士を合わせるキスを致します。でもあれはスミス家では当たり前のことなのですが、もし普通の子役とああした雰囲気を作ろうとするとなかなか自然にならずわざとらしくなりそうです。でも、流石にわが息子ということで、さっと自然に出来ました。
映画が出来上がって試写をしたときには、みんな良くやってくれましたから本当に涙が出るのを耐えられないほど嬉しかったです。
自分の映画で泣いてしまうというのもおかしな話かもしれませんが、この映画に限っては本当にそんな感じでした。今までいろんな映画作品に参加しましたけれど本作品で最高の演技が出来たと思っています。
司会 : 奥さんは我が子の演技などどのようにおっしゃっていますか?
スミス : 当初彼女は私が息子のジェイデンに父親として色々ああしたら良い、こうしたら良い…などと執拗にプレッシャをかけやしないかと、心配していたようです。
そうした心配を持ちつつ撮影が始まって数日たった頃に現場に妻がやってきて言いました。
「撮影所セットに居る限り、ジェイはあなたの息子ではなくて共演者なのよ。だから共演者との問題は本人に言わず監督に言うのが筋たから監督に言うのよ…」
「それとオフカメラでジェイに何か言いたい事が有ったら、ジェイの母の私に言うようにして頂戴…」とアドバイスしてくれました(笑)
要するに親子だからと言っても、直接息子に何か言ったりしないようにして…って、ことですね(笑)
だから妻に言ってやったんです、「息子が私の演技を全部盗んでいくんだけど」なんてね(笑)
司会 : 本当に息子さんは将来が楽しみですね。
スミス : 人間の感情の起伏を読み解くのが、彼は本当に長けた子です。ここはこんな場面だぞと、説明するだけで感情がどうなっていくのか全部理解できるのです。
幼い子供ですから、この物語の親子がどんな経験をしたかは知っているはずもないのですけど、2時間位膝を突き合わせてじっくりやり取りもしました。駅のトイレで一夜を過ごさねばならなくなった一連のシーンも、そうした場所に連れて行って状況を見るだけで、どんな気持ちになってゆくかを彼は理解でき、そして演技をこなしたんです。
Q : 映画の主人公がそうしたような、スミスさんの人生の中で自分がつかみとる事が出来た最大のチャンスはどんなことでしたか?
スミス : 私も主人公のクリス・ガードナーのように、総てを失ったような状況がありました。ただ、彼と違ったのは妻も居なければ子供も居なかったのが大きな違いです。そして私は未だ若く独身でした。
俳優の演技作りは、キャラクターと同じ経験をしていないとしても何か1つでも自分とキャラクターとの共通点といったものが無いか探し、それを膨らましたりするのです。
今回クリス・ガードナーと私を結ぶ糸は一度総てを失うようなことに追い込まれたことですね。そして両者とも信心深い家庭で育ってきたため、自分の人生は自分でコントロールできると思うようになりました。ここも共通点です。
自分の思うことや夢、それを強く思いますと宇宙の中から体を通して具体化できる強い力になります。
手に触れるようになるんだと信じるんです。本当に心から念じて行動すれば現実になってゆくと信じています。
Q : そうした信念や何か素晴らしいアイデアが有ったとしても、現代の厳しい競争社会において活かすのは難しくないですか?
スミス : 人の人生とは一般的に言ってそう容易くはないですね。
生まれてきて暫く子供の間には幸せで楽しくて、おかあさんだって永久に自分のことを見守ってくれる者だと思っています。でも、それがある時点からそうではない…ということを悟ります。
世の中には悪い人間が居たり、善人にでさえ悪いことが起きたりする。この世の中は決して安全だけではないと段々分かってきます。
そうやって、不都合に如何に対処すべきかを人それぞれがそれぞれに見つけ出して行く事こそが、人生の旅なのです。その中で唯一そして最も強力なツールに成り得るのが、希望なのです。
朝ベッドで目覚めたときに昨日より今日のほうがいい日に成ったら良いなと望まない人はいないでしょう?
希望があればこそ起き上がれるのです。
そして人生の中でやり直すこと、セカンド・チャンスを掴むきっかけとして先ず自分自身の働きかけが有って、チャンスを手繰り寄せるわけです。
誰かが溺れている時、本人は何をするかと言えば"溺れてるから助けて欲しい"と自ら手を上げます。それがあって外部から手を差し伸べてもらえるのです。先ず自分が働きかけなければ救われる事もないのです。
Q : クリス・ガードナーさんは息子がいたからこそ逆境を乗り越え成功出来たのでしょうか?
スミス : 人間はだれしも目的やゴールが無いと行動できないと思います。クリスも長い旅のゴール、ミッションは、彼に降りかかる様々な不幸や諦めねばならないことの悪循環を断ち切ることに有りました。彼は何が何でも諦めずに立ち向う決意があったから、成功したんだと思います。
Q : この映画での自分の演技に満足したと言っていますが、一方で今後も従来のコメディやアクションでのスミスさんの姿を期待する声も多いと思います。今後の役選びのポリシーはどうなりますか?
アメリカでは業界の習慣として、夏場の超大作と冬場地味に公開されるアートフィルム製作と相場が決まっています。でも、私としてはこの分け方にはちょっと異議があります。というのも、ラッセル・クロウの『グラデュエーター』やトム・ハンクスの『フォレストガンプ』に代表されるような、大きな作品で興行的にも大ヒット映画でありながら中心に素晴らしい演技がしっかり有る見事な調和を見せる映画も有ります。
ですから、私も今後こうした二つの要素をブレンド出来る作品に出たいと思っています。
Q : もし息子さんのジェイデンさんが助演賞を獲得したらなんと声をかけますか?
スミス : 僕はオマエの父親なんだ。だからオレによこせ!といいますね(爆笑)
司会
はい、ありがとうございました。スミスさんもお忙しい中本当にありがとうございました。(以降フォトセッションへ)
登壇者(敬称略) ウィル・スミス、 司会 映画パーソナリティ・襟川クロ、通訳 戸田奈津子
2007/1/19都内ホテルで。
レビュー
この映画はある男がどん底から成功するまでを表した単純な物語である。しかし類を見ないのは、ただ自分を信じ成功するまで絶対に諦めずに頑張りぬいた男の信念にある。
努力や我慢を、それをしていればいつか報われるかもしれない…と言った心もとない手段として描くのではなく、成功するまでやり続けなければなんの意味もない事だ…と、余りに現実的に描いている。この冷酷な現実の中で、この主人公は一切の諦めを持ち込まない。
がんとしたその一徹さに心奮い立たされ、映画に魅入ってしまう。
現代日本の豊かな暮らしにマスクされて、ある程度の満足感はありながらも心の何処かで努力と言う言葉や自分自身の有り方に今ひとつ疑問を抱く人は少なくないと思うが、そうした人の迷いを払拭する勇気を与えてくれる映画だ。
いま、あと一歩勇気を持てないでいる人に是非見て欲しい作品だ。
試写会の上映前にもイメージソングとなったSoweluの『幸せのちから』が繰り返し流されていた。
幸せを探し続けるこの作品のテーマに、彼女が光る希望を添えてくれるようで、Soweluの歌声が心地良い。
Sowelu Official Home Page
www.sowelu.info
T,Tomonaga.
|